医療滞在ビザの取得
日本で治療などを受けることを目的に来日する外国人患者様と、必要に応じて同伴者に発給される査証「医療滞在ビザ」。
日本で治療や検査を受けるために渡航する場合、このビザが必要になることがあります。
対象は手術や入院治療だけではなく、日本の医療機関の指示に基づく人間ドック、健康診断、検診、歯科治療、療養なども対象に。
しかし、医療滞在ビザは、患者様が病院へ直接申し込むだけでは取得できません。受け入れ医療機関の確定や、登録された身元保証機関との調整など、複数の準備が必要です。
経済産業省は、訪日前から帰国後までの一連の支援を行う事業者を「医療渡航支援企業」と位置づけています。
この記事では、医療滞在ビザの基本的な仕組みを分かりやすくご説明します。
※本記事は2026年7月時点の公的情報をもとに作成しています。申請時には、必ず申請先の日本大使館・総領事館などで最新情報をご確認ください。
家族も一緒に来日できるのは?
患者さまの世話をするために必要と認められる場合は、同伴者も医療滞在ビザの対象になることがあります。
同伴者は親族に限らず、必要に応じて親族以外の方も認められる場合があります。ただし、同伴者は患者さまの身の回りの世話を目的として滞在するため、日本で報酬を得る活動などはできません。
医療滞在ビザの申請前に必要なこと
医療滞在ビザを申請する前に、まず日本で受診する医療機関を確定させる必要があります。
一般的には、次の順番で準備します。
〔準備の順番〕
- 登録された身元保証機関へ相談する
- 診療情報や希望する治療内容を提出する
- 日本の医療機関へ受け入れを照会する
- 受け入れ医療機関を確定する
- 受診等予定証明書や身元保証書を準備する
- 日本大使館または総領事館へ査証を申請する
主な申請書類
外務省が示している主な書類には、次のものがあります。
必要書類は患者さまの国籍や病状、滞在期間、申請先によって異なります。必ず申請先の日本大使館または総領事館へ確認してください。
〔必要書類〕
- 旅券
- 写真
- 査証申請書
- 医療機関による受診等予定証明書
- 身元保証機関による身元保証書
- 銀行残高証明書など、経済力を証明するもの
- 本人確認書類
- 必要に応じて治療予定表
- 90日を超えて入院する場合の在留資格認定証明書
滞在期間
医療滞在ビザによる滞在期間は、患者さまの病状などを踏まえて、90日以内、6か月または1年のいずれかで決定されます。
ただし、90日を超えて滞在する場合は入院が前提となり、在留資格認定証明書の取得が必要です。
一度の来日で治療が終わらず、複数回の通院が必要な場合には、数次ビザが認められる可能性もあります。数次ビザを申請する場合には、医師が作成した治療予定表が必要です。
ビザ取得と治療は別に考える
医療機関が受け入れを検討したことや、身元保証機関が手続きを支援したことだけで、ビザの発給が確約されるわけではありません。
ビザの発給は、日本大使館・総領事館などが提出書類を確認して判断します。
また、ビザが発給されても、来日後の検査結果によって、予定していた治療が変更または中止となる可能性があります。
「ビザが取れるか」と「希望する治療を受けられるか」は、分けて考える必要があります。
準備は早めに
診療情報の翻訳、医療機関による検討、追加資料の提出、費用の確認、ビザ申請などには時間がかかります。
特に進行の速い病気では、急いで来日することだけを考えるのではなく、移動による身体的負担や、日本で治療を受けることの医学的な意味を確認することが重要です。
まずは現在の診療情報を整理し、日本の医療機関へ相談できる状態をつくるところから始めましょう。
ご相談から帰国後までの流れ
「日本のどの病院に相談すればよいのかわからない」
「自分の病気を受け入れてもらえるのだろうか」
「ビザや通訳、宿泊はどうすればよいのか」
日本での治療を希望しても、患者さまやご家族だけですべての準備を進めることは簡単ではありません。
この記事では、スカイレッジへのご相談から、医療機関への照会、来日、治療、帰国後までの基本的な流れをご説明します。
STEP1 お問い合わせ・初回相談
患者様の現在の状況と、日本での治療に対する希望を伺います。
最初の段階では、病状や希望を完全に整理できていなくても構いません。分かる範囲から一緒に確認します。
〔確認する内容〕
- 現在の病名と症状
- これまでに受けた検査や治療
- 手術歴、入院歴
- 現在服用している薬
- 日本で希望する治療や検査
- 来日を希望する時期
- 同伴するご家族の有無
STEP2 診療情報の提出
日本の医療機関に相談するため、これまでの診療情報をご提出いただきます。
病状や相談する医療機関によって資料は異なります。
また、資料が中国語の場合は、日本の医療機関が確認できるよう必要な部分を日本語に翻訳・整理します。
〔必要となる可能性がある資料〕
- 検査結果
- 血液検査データ
- CT、MRI、PETなどの画像データ
- 病理検査の結果
- 手術記録
- 入院記録
- 現在の処方薬に関する情報
STEP3 日本の医療機関への相談
提出された資料をもとに、患者さまの病状や希望する治療に適した医療機関を検討します。
病院名の知名度だけで選ぶのではなく、病状、治療内容、移動による負担などを総合的に考えることが重要です。
その後、医療機関へ診療情報を提出し、次の事項を確認します。
〔医療機関への確認事項〕
- 受け入れを検討できるか
- 追加で必要な検査や資料はあるか
- 想定される診療内容
- 来院可能な時期
- おおよその滞在期間
- 医療費の見込み
STEP4 受け入れ可否と方針のご説明
医療機関から回答が届いた後、その内容を患者さまとご家族へ説明します。
日本へ行けば、必ず希望する治療を受けられるとは限りません。
追加検査の結果によって治療方針が変わることや、日本での治療をおすすめできない場合もあります。
良い情報だけでなく、考えられる負担やリスクについても丁寧にお伝えしたうえで、来日するかどうかを検討していただきます。
STEP5 契約、費用、渡航準備
日本での受診を希望される場合は、支援内容や費用、キャンセル時の取り扱いなどをご説明し、必要な契約手続きを行います。
続いて、状況に応じて次の準備を進めます。
医療滞在ビザが必要な場合は、登録された身元保証機関を通じて、受け入れ医療機関の確定や必要書類の準備を進めます。
〔契約後の準備〕
- 医療機関の予約
- 医療滞在ビザ等の確認
- 航空券の日程調整
- 宿泊先の手配
- 空港からの移動
- 病院までの送迎
- 専門医療通訳の手配
- 同伴するご家族の滞在準備
STEP6 来日・受診・治療
来日後は、必要に応じて空港へのお迎え、宿泊先への移動、病院への同行を行います。
診察や治療説明の際には、専門医療通訳が、医師の説明を正確に患者さまへ伝えます。
同時に、患者さまの症状、希望、不安、質問が医療者へ正しく伝わるよう支援します。
通訳は、単に言葉を置き換えるだけではありません。患者さまと医療者が、同じ情報を共有したうえで治療方針を検討するための大切な役割を担います。
STEP7 滞在中の生活支援
治療中は、病院以外の生活にもさまざまな課題が生じます。
スカイレッジは、医療と生活を切り離さず、患者さまとご家族が治療に集中できる環境を整えます。
〔日本滞在中の課題〕
- 病院までの移動
- 宿泊先との調整
- 日用品の購入
- ご家族の生活
- 予定変更への対応
- 緊急時の連絡
STEP8 帰国準備と帰国後のフォロー
治療が終了した後は、診療内容、検査結果、服薬、生活上の注意点、次回受診の予定などを確認します。
必要に応じて、中国の医療機関へ情報を共有できるよう、資料の整理や翻訳も支援します。
治療によっては、数か月後に日本で再検査を受けることもあります。帰国した時点で支援を終えるのではなく、その後の治療や生活を見据えてフォローします。
一人ひとりで、必要な支援は異なります
病名が同じでも、病状、治療歴、家族構成、経済状況、来日の目的は一人ひとり異なります。
そのため、すべての患者さまが同じ手順で進むわけではありません。
スカイレッジでは、患者さまとご家族のお話を丁寧に伺い、必要な支援を個別に組み立てます。